SKYROCKETING WORK!

日常のエントロピーを上げてくぞ🚀

朝倉涼子の言葉に共感できるようになった自分がいた

自分は「やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい」という言葉が好きだ。
この格言のオリジナルがどこなのかは知らない。
しかし、ぼく自身がこの言葉を知ったのは、「涼宮ハルヒの憂鬱」の朝倉涼子の言葉だった。

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

(憂鬱ではなく、朝倉涼子が表紙になっている消失をあえて選びました。)

あるとき、この言葉に思いを馳せる機会に巡り合った。
そんなときに、ふと改めてこのシーンを読み返そうと思い立ったのだった。

すると、思わぬ発見があった。

というのも、朝倉涼子の言葉に共感できてしまったのだ。

中学生だった頃の僕は、間違いなくキョンに感情を移入していた。
当時は朝倉涼子の一連のセリフにピンと来ることはなかった。

けれども、いまの僕は朝倉涼子が抱えていた閉塞感がなんとなくわかるような気がしたのだ。
というのも、この朝倉涼子が紡ぐ言葉が、僕が社会に対して感じているモノと同じだったからだ。

「じゃあさあ、たとえ話なんだけれど、現状を維持するまではジリ貧になることはわかっているけど、どうすれば良い方向に向かうことが出来るのか解らないとき。あなたならどうする?」
(中略)
「とりあえず何でもいいから変えてみようと思うんじゃない? どうせ今のままでは何も変わらないんだし」
(中略)
「でもね、上の方にいる人は頭が固くて、急な変化にはついていけないの。でも現場はそうもしてられない。手をつかねていたらどんどん良くないことになりそうだから。だったらもう現場の独断で強硬に変革を進めちゃってもいいわよね?」
谷川 流 『涼宮ハルヒの憂鬱』 角川書店 [角川スニーカー文庫] 2003年

過去に読んだ本を読み返すことで「自身の趣味趣向の変化に気がつけること」に気がついた。
完全に不意打ちだっただけに、まさに『発見』だなと思った。

なんとなく、人生における楽しみが一つだけ増えた気がする。

せっかくなので、これを機に「涼宮ハルヒ」シリーズをすべて読み返したい。

コミュ障を治すために「人生が変わる会話術」を読んだ

丘村奈央子の「人生が変わる会話術」を読んだ。

人生が変わる会話術

人生が変わる会話術

【本エントリの要約】
会話の話題に困りがちな方にオススメ。
特に会話を相手との共通点から探してきた人には特効薬になるかも。

読んだキッカケ

僕は常々とコミュニケーション能力には課題を感じてきた。
特に頻繁に顔を合わせるが共通の趣味を持たない人との会話ほど、話題が見つからずに気まずい状況になることが多い。
初対面の際に使えるような当たり障りのない話題がすでに尽きているからだ。

過去に「話し上手になれれば、自然と話題が浮かぶのだろうか」と悩んで、数冊のコミュニケーションのノウハウ本を読んだことがある。
どの本も自分自身が実践できる水準には達していないと感じるような内容だった。
というのも、話題が浮かぶことは前提にされていたり、「それができたら苦労していない」と言いたくなるテクニックだったりしたからだ。

けれども、コミュニケーションの課題を放置するわけにはいかず、めげずに解決の糸口を探すべくインターネットサーフィンをしていた。

そんななかで以下の書評を見つけ、本書に興味を持った。
note.mu

普段はこうしたタイトルの本には興味を持つことがあまりないのだが、自分との違いに着目するという点に惹かれて購入したのだった。

この本から学んだ内容サマリ

  • 会話相手との共通点を無理に探さず、違いを話題にしてしまおう
  • 違いに着目するためには相手の話に興味を持つことが大事
    • そのためには、相手から情報をいただいているという心構えを持つと良いかも
      • 相手の視点というのは、決して自分だけでは手に入れられないからね
  • 次に話すことを考えるあまり、相手の話を聞いていなかったら本末転倒

感想

会話を共通点から探す自分にとっては、目からウロコが落ちた。
たった一つのシンプルな視点を得るだけで、これほど会話を気負わずに済むのかと驚いた。

コミュ障の特効薬のようだ、とも思えた。
この点だけでも、本書に出会えてよかったなと思う。

また、次に話すことを考えるあまり、相手の話をあまり聞いていないというくだりが図星で、 これまでの自分は会話相手にとても失礼なことをしていたなと、読みながら「ごめんなさい」と反省をしていた。
この反省の視点を得られたことにも感謝している。

タイトルの通りに「人生が変わる」本になるかもしれないなぁという期待感で胸がいっぱいになっている。
本書を読み終えた今後の自分に期待してほしい。

「イシューからはじめよ」を再読したら良かったよ、という話

この土日で安宅和人の「イシューからはじめよ」を再読した。

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

このエントリの趣旨は、「実際に働いてみてから読み直してみたらすごく頭に入ってきた」というつもり。

「イシューからはじめよ」との出会い

最初に読んだのは、おそらく3、4年前の大学生の頃だった。
この頃は卒業研究で頭を悩ませていて、すがる思いで手にとった覚えがある。

その当時も本書をしっかりと読んだつもりだったが、正直にいうと内容が頭に残らなかった。
ロジカルシンキングをわかりやすく説明してくれるため、少なくともその場では言っていることはわかる
しかし、この「わかる」はソフトウェアエンジニアがよく言う「完全に理解した(わかっていない)」*1に近いものだった。
いま思うと、それは「実体験」がなく、現実味を感じられなかったからだと思う。

「イシューからはじめよ」の再読した理由

現職でPJに携わる中で、もっと問題解決スキルを磨きたいという気持ちが高まった。
簡潔に説明すると、企画・分析の仕事をいただくようになったので、必要そうなスキルを基礎的なところから復習しようと考えた。

そこで、まずは問題解決の本を読むことにした。

問題解決の本は市場にありふれている。
どの本を選ぶかを迷ったが、新宿の紀伊國屋書店で数々の本をパラパラと覗いた末に、最終的に「イシューからはじめよ」を再読することに決めた。

そうした理由は3つある。

  • 明確なゴールに向かってストーリーが作られている
  • 問題解決フレームワークとビジネスフレームワークが混同されていない
  • 少ないページ数にもかかわらず、各種のフレームワークがまとまっている

明確なゴールに向かってストーリーが作られている

僕が知りたかったのは、分野を問わない抽象的な問題解決スキルだった。

しかし、いくつかの書籍をパラパラと覗く限りは、いくつかのフレームワークの紹介だけに留まっている本が多いように感じた。
本書は「良質なアウトプットを生み出す」というゴールのため、心構え動き方考え方がメインテーマになっており、関心のある分野は問わない。

そのため、「イシューからはじめよ」が、まさに僕がいま読みたい内容であった。

問題解決フレームワークとビジネスフレームワークが混同されていない

僕の中で、問題解決フレームワークとビジネスフレームワークは明確に線引されるものだと思っている。
つまり、ピラミッド構造 / MECE / 仮説思考と、3C / 5フォースは異なる分野のものだという認識だ。

問題解決フレームワークはどの分野にも応用が効く、汎用的なフレームワークだ。
対して、ビジネスフレームワークは、あくまで具体的な分野のフレームワークだ。

2回目でしつこいようだけれど、僕は汎用的な問題解決スキルに焦点を当てた本が読みたかった。
そのため、本書が僕の要望に非常にマッチした。

本書は問題解決に焦点を当てたフレームワークをメインに据えて紹介している。
ビジネスフレームワークは出てこないわけではないが、基本的には具体例の紹介に使われるに留まっている。

これは、本書の再読を選ぶ理由の一つになった。

少ないページ数にもかかわらず、各種のフレームワークがまとまっている

本書は243ページしかない。
技術書や専門書、同様に問題解決スキルの本を読もうとすると、これ以上にページ数が多いと思う。

少ないページにもかかわらず、以下のような多くの問題解決フレームワークについてわかりやすく丁寧に説明されている。

  • 仮説思考
  • MECE
  • ピラミッド構造 *Whyの並べ立て(帰納法)
    • 空・雨・傘(ちょっと違う気もするけど演繹法)
  • So What?
  • etc...

問題解決フレームワークを身につけるのに少ないページ数、冊数で済むのならそれに越したことはないと思っている。
僕らの時間は有限で、問題解決スキルだけが学ぶべきスキルではないからだ。
プライベートだって大事にしたいし、業務に関連したスキルも学ぶ必要もある。

なので、効率よく問題解決スキルを学べそうな本書を選ぶことにした。

実際に再読してみて

結論から言うと、再読してよかった。

実際に働いてから*2読んでみると、本書の内容が経験と絡み合って頭の中に入ってくる。
それは共感だったり、反省だったり、様々な感情がいりまじったものだけれど。

学生の頃に読んだときの感覚は、「わかるんだけれど、わかっていない」という「目が滑る」感覚に近かったと思う。
3,4年働いた現在に、もう一度読んでみると本書をより咀嚼できていることに気がついた。

本書は、僕にとって仕事の進め方のバイブルになった。
また、数年後経ってから読み返してみたら、もっと理解できたり、新しい情報を引き出せたりできるのかもしれない。
そして、このレビューも青臭いと感じて、恥ずかしいと感じるのかもしれない。

最後に

選んだ理由の項目が、思ったより分量が多くなってしまった。
(本書の内容的に削るべきなのですが、ここはご愛嬌。)

内容のとおり、バリューの高いメッセージが詰まった本でした。
このような素晴らしい本を書いてくださった安宅和人さんに感謝を申し上げます。

*1:ポプテピピックが元ネタのスラング

*2:言ってもまだまだ全然働いていないのですが...

「新しい文章力の教室」を読んだ。

私は文章力の低さや書くことに対する心理的な抵抗感を持っていることを、ずっと課題に思ってきました。
この抵抗感を生み出しているのは文章を書く機会が少ないからだと考えて、書くことの苦手意識を克服するためにブログをはじめました。

しかし書きたい内容があっても、どう書けばいいのかがわからずに困り果てていました。
よしんば書けたとしても公開後の文章を読み返すたびに、誤字脱字や文章のくどさに気がついて恥ずかしい思いをよくしています。

そこで体系的な文章の書き方をインプットして、書けない状況から脱却し質の高い文章を書きたいと考えてこの本を手に取りました。

book.impress.co.jp

この本自身が良い文章のお手本と言っても過言ではない

この本はカルチャーニュースサイト「ナタリー」で、文章教室「唐木ゼミ」にて筆者が講義していた内容を一般向けにした本です。
良い文章を「完読させる文章」と定義して、そこに至るためにどうすれば良いのかを指導してくれます。
この本自体が「完読させる文章」のお手本だと思えるほど、スッと入ってくる読み味でサクサクと読むことができ、本の内容に説得力を感じました。

ひととおりの基礎的な「文章の書き方」を学べる

本書をざっとまとめると以下の三点になります。

  • 文章を書くためのフレームワーク「構造シート」
  • 文章を磨くための校正のポイント
  • 読ませる文にするためのTIPS

どれも納得感を感じるような内容で、すぐにでも実践したくなるものでした。

この本の内容を実践するのにあると便利だった道具

nuboard

obun.jp

持ち歩き用ホワイトボードです。
本の内容を実践すると、構造シートをたくさん書くことになります。
最初のうちは構造シートを手書きすることが推奨されており、書き捨てをしやすいホワイトボードがとても重宝しました。

この本の内容に関わらず、持ってると便利なアイテムです。

ちょっと実践してみた

読んで学んだことを思い出しながら、このPostで実践してみました。
最後まで読んでいただけたでしょうか。
少しでも読みやすい文章になっていれば幸いです。

もっと読み返したり実践を繰り返したりして、より良い文章力を身に着けていこうと思います。

「HTML5/CSS3 モダンコーディング」を読んだ。

これまでは、HTMLやCSSをBootstrapに頼ったり、とりあえずググってなんとなく解決したり、という危うい感じで書いてきました。
しかし、このままでは良くないと思い、フロントコーディングの基礎を得るために「HTML5/CSS3 モダンコーディング」を読んでみました。

www.shoeisha.co.jp

フロントコーディングの流れを知ることができた

チュートリアル形式で0からHTMLとCSSを組み立てていくため、フロントコーディングの全体感を把握することができました。
実践的なだけあって、どこから手を付けていけばよいのか、どういう考えでどういうコードを書けばよいのか、そういう知見を体験しながら得られる本でした。

「思い通りの見た目」を実現するための実践的なテクニックを得られた

  • box-sizingの使い方
  • ::before::afterの有効な活用方法
  • positionの使い分け
  • transformtransitionを使って変化のあるデザインを実現する
  • ...etc

こうしたテクニックや知識を、必要になった時に必要な分だけ得ながら、サクサクと心地よく進めることができたのが良かったです。

この本を進めていく際に準備すると良いもの

emmet

Emmet — the essential toolkit for web-developers

HTMLを省略記法で書いて、その場でHTMLに変換してくれるツールです。
この本ではHTMLをたくさん書いていくため、いれておくと便利です。

多数のエディタにプラグインが提供されているため、お使いのエディタで探してみると見つかるかもしれません。

参考までにVimとEmacsのプラグインだけ貼っておきます。

github.com

github.com

browsersync

Browsersync - Time-saving synchronised browser testing

特定のディレクトリ下のファイルが更新された時に、ブラウザの更新をしてくれるツールです。
特に設定ファイルを書かなくても使えるツールだったため、今回のような静的コンテンツだけをコーディングしていく用途には適していました。

得られた気づき

コードの写経って、なんだかんだで面倒くさくなるんですよね。
そのタイミングで、いい感じにサボるために界隈の便利ツールを探して導入したりしてました。
そして、写経が終わってる頃には便利ツールを利用できる環境ができあがっていて、さらに便利ツールの使い方をわかっている状態になっていて、「良さ(うまい言葉が見つからない)」を感じました。
写経には、そういう効果もあるんだなと気が付いて、改めて写経って良い勉強方法だなと思いました。